楽鯖在住っぽい詩人。歌は下手だし楽器も弾くのも下手。詩人辞めたほうがイイね!             


by sakuyama2005jp

つづき。


この前のつづきー。












男は少しづつ冷静さを取り戻してきた。



「視るって、ど、どうゆこと?」




知っている子の方へ向き聞いてみる。




「いいから、視てもらいなって。」




そう言い残し、男とその知らない子を二人きりにして何処か行ってしまった。



店内は喧騒の渦に包まれているが、自分の所だけが静寂に包まれているように感じる。












知らない子が男に目線を向ける。
その瞳は男を鋭く観察しているようにも見える。何も考えてないようにも見える。視線がふわふわと宙に漂っているようにも見える。









「両手を上にして出してくれない?」







男はやっとそこでピンときた。




「ははーん。手相占いかなんかですか?」



男は占いなど、良い結果だと信じるが、悪い結果だと絶対信じない。そんな程度な位しか占いを考えた事はなかった。



男はほろ酔い気分も手伝い、言われるがままに手を差し出す。


その子は静かに目を瞑り、自分の両手をへその辺りへ持っていき深呼吸をしている。
何かそこにあるかのような動作をしている。何か目に見えない物を練っている様に見える。


男はその光景をどこかで見た事があると思った。


それはテレビや漫画でよく見かける光景だ。
気孔術と言うのだろうか、気を練るというのか、そんな動作だった。


それを今この場所で、しかも目の前で女の子がしている。





そして、その女の子も両手を前に出す。男の両手の上に触れるか触れないかぐらいの所に合わせる。










「暖かく感じる?それとも冷たく感じる?」









その時だった。



その男の手の平と、女の子の手の平の間に、どこからか風が入ってきて通り抜けて行くような冷たさを感じ始めた。
店は締め切られているし周りに人が通った記憶も無い。





男は少し怖くなってきた。





「なんか、冷たいです・・・こ、これってなんなんですかね?」






女の子は答えない。

そして瞑った目を開ける。







「うん、わかったわ。」




それからその女の子は堰を切ったかの様にしゃべり出す。




「貴方は浮気症でしょ?」

「そして、惚れやすいでしょ?」




男は一瞬ギクっとしたが、よく考えてみれば男って生き物は、みんなそんなもんだろうと思い直し答えた。




「ま、まぁそうかもしれませんが・・・でも、男なんてみんなそうじゃないの?ははは・・」





男は少し、この目の前に居る女の子の事が分ってきた気がした。
俗に言う{霊視}ってやつではないだろうかと。しかし、この程度なら多少観察力があれば言えるだろうとも思った。





「貴方は今まで女の人と付き合ってもうまくいかないでしょ?」





確かにこの子の言う通りだった。

離婚してからというもの何度か女性と付き合いをした事はあった。
再婚まで考えた女性もいなくはない。しかし、どちらかともなく駄目になっていくパターンが多かった。






「ま、まぁ・・そうっすねぇ・・・・」





男は決していい気分ではなかった。こんな事だれでも言える事だろ。と腹の中で思った。




女の子はまた目を瞑る。そして沈黙が続く。










そして、ボソリと何か小さい声で呟いた。















「貴方、・・・・・い・・る・・・わよ。」











男は店内の喧騒で聞こえなかった。





「す、すいません。今なんておっしゃったか聞こえなかったんですが・・・」




と、もう一度聞いてみる。



すると女の子は、男の目を見ながらはっきりと大きく言った。





























「貴方、生霊が憑いてる。」
















男は急に「生霊」というフレーズを聞き驚いた。言葉が出ない。






「・・・・・・・・」








「・・・・えっと、生霊ですか・・?」


生霊というフレーズはよくテレビなどで聞くが、実際憑いてると聞いてもピンとこない。




「そう、前の奥さんかしらね。相当強いみたいね。」





「それと貴方のお子さんかしら?右膝にまとわりついてるわよ?」


「相当強いみたいだから、お子さんの名前も分るわよ。」

「普通だったらわからないんだけども。」



男は混乱して沈黙する。






「えーっと・・○○ちゃんって言うでしょ?」





男は背筋に変な汗が流れるのが分った。
そして、その名前はよく聞き覚えある名前だった。

何年か前に離れ離れになった子供の名前だった。

なぜ初めて会った人間に、自分の子供の名前まで分るのかがすぐに理解できなかった。しかも、生霊になり自分の右膝にまとわりついてるとまで言われれば尚更だ。



そんな信じられない話だが、ついつい男は自分の右膝を見てしまう。


その男には何も見えない。




男はそれまでその女の子に対して半信半疑だった。しかし、ここまで言い当てられると信じない訳にはいかなくなってくる。

ふつふつと沸いてくる疑問をぶつけてみたくなる衝動を抑えながら、男は少しずつ質問をしていく。





「な、なんで生霊になっちゃってるんでしょうかね・・?」



(つづく)












これちょっとなげぇよ!

でも結構書いてて楽しいかも。

あとつづきを二本位書けそうな予感。

付き合ってたもれ。
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by sakuyama2005jp | 2007-04-03 14:28 | へっぽこ恐怖新聞